TOTTORI Log

きままに鳥取を『Log』します

photo exhibition #01 解説編

若き天才写真家のLogです。

あゝ素晴らしきネイチャーが終わりました。

今回の展示ではタイトルや設定、撮影背景を全く記載せず、鑑賞者の感性に全てを委ねました。タイトルを付けイメージが固定されてしまうのを回避するためです。いかがだったでしょうか?

展示が終わった今、その縛りが無くなったのでLog式レタッチメソッドも織り交ぜながらA3で展示した4枚の写真について紹介していきたいと思います。画面で見るのものと印刷したものとでは見え方が違ってくるので、今回は惜しみなく公開します。展示に来る気がなかった人でもこんな感じの写真撮ってるんだーと思ってもらえたら幸いです。

1.渓流

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まず入ってすぐの正面に展示していたこの写真。撮影場所は雨滝から流れ落ちた先の川です。川をまたがる木と水流がマッチしそうだったので、14mmのレンズで迫力を出し撮影しました。F値のデータは残っていませんでしたが(恐らく11周辺)、ISO50で水流が好みの動きをするようなシャッタースピード1/5秒に設定しました。レタッチは主題の木に目がいくような露出補正を行い、副題の水流にもハイライトを乗せて写真上部から手前にかけての視線を誘導しています。自然がおりなす曲線美が美しいですよね。

2.木漏れ日
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3枚並べて展示していたうちの左の写真です。カメラを持ちながら散歩をしているときに偶然出会った景色です。木漏れ日がそれぞれの木を局所的に照らしてスポットライトのような働きをしています。レタッチは全体にメリハリをつけるためにシャドウを締めています。撮影時間の夕方の光はオレンジ色をしているのでその色を出すためにホワイトバランスを少し暖色に寄せました。特に主題副題を意識して撮影はしておらずその場で美しいと感じたのでシャッターを押しています。写真なんて自分が良いと思ったら良いんですよ。

3.紫陽花
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真ん中に展示していたこの写真。割と好評な写真だったと思います。真ん中に被写体を配置する日の丸構図はシンプルではありますが、なかなか工夫しづらい構図でもあります。昨年は本当にシンプルに紫陽花を真ん中に置いて写真を撮っていましたが、今年は周りを葉っぱで囲んだ構図で撮りたくて、この構図のためだけに退勤後あじさい公園に行っています。葉っぱが前ボケになっていることで中心の紫陽花が少し奥にあるように見えると思います。レタッチは中央の紫陽花の露出を上げ、さらに周辺減光を加えることで強制的に中心に目が行くようにしています。愛国心の高い皆さまは日の丸構図を多用すると思いますが、前ボケなんかを入れてあげると立体感が出てなんかいい感じになるかもしれません。

4.シダ×ホタル
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右端に展示していたのはシダとホタルの写真です。巷に溢れているホタルの光跡写真は「比較明合成」という手法を用いて作成されていることがほとんどです。比較明合成は写真の明るいところを合成して1枚に仕上げる手法で、星がぐるぐる回っているのを表現する時なんかにもこの手法を使います。この写真も明るい時間に背景を撮影しておき、同じ画角でホタルの光跡を撮影して編集の段階で1枚に仕上げます。なので1匹のホタルが別の光跡を描いている可能性があります。合成と言えば聞こえが悪いかもしれませんが、そもそもゲンジボタルは線光跡に写るので表現としては正解になると思います。1枚撮りで露出を失敗してしまうよりも遥かに確実な方法なんです。

最後に

写真は漢字で見ると「真を写す」なんて意味合いになります。上記の通り、1枚の写真が出来上がる過程を知ると真実なんて写ってないですよね(笑) 僕が撮る写真は美しいだけのファインアート(芸術写真)。画家が絵を描くのと一緒です。

そして何より自然が美しい。有名な撮影スポットに行かなくても美はその辺に転がっています。その自然美をファインアートとして切り抜く。最高の趣味じゃあないですか!

カメラが欲しくなってきた人とかも出てくる頃かと思います。カメラ・レンズのご購入相談はTOTTORI Logまで。